新メニューの発売やメニュー表の作り替えに合わせて料理撮影を依頼したものの、当日になって必要な食材が足りない、盛り付けが決まっていない、撮りたい料理が多すぎて時間内に終わらない。こうした問題は、撮影技術ではなく事前準備の不足から起こることが多くあります。
料理は、作ってから撮影できる時間が限られています。湯気、照り、泡、揚げたての質感は少しずつ変化するため、その場で掲載先や構図を考え始めると、一番よい状態を逃してしまいます。反対に、必要な写真と提供順を事前に決めておけば、撮影時間を抑えながら使いやすい素材を揃えられます。
この記事では、飲食店がメニュー撮影前に準備しておきたい項目を、実際の使用場所と当日の流れに沿って解説します。

まず決めるのは「何品撮るか」ではなく「どこで使うか」
同じ料理でも、メニュー表、店頭看板、Googleマップ、Instagram、デリバリーサイトでは必要な写真が異なります。メニュー表なら料理名や価格を配置する余白が必要です。GoogleマップやSNSでは、一覧で見たときに料理の魅力がすぐ伝わる構図が向いています。店頭看板では離れた場所からでも主役が分かる写真が必要です。
掲載場所を決めずに撮影すると、横長写真はあるのに正方形で使えない、文字を置く場所がない、料理が小さく見えるといった問題が起こります。最初に使用媒体を書き出し、必要な縦横比と優先順位を撮影者へ共有しましょう。

撮影前に準備したい7つの項目
1.撮影する料理の一覧と優先順位
料理名を並べるだけでなく、「必ず撮る主力商品」「時間があれば撮る商品」「集合写真にだけ入れる商品」に分けます。最初から全品を同じ重要度で進めると、主力料理の撮影に十分な時間を使えなくなることがあります。
看板商品、利益率の高い商品、季節限定商品、新しく注文を増やしたい商品を優先すると、写真が売上につながる役割を持ちやすくなります。
2.盛り付けと器を事前に確定する
撮影当日に器を選び直したり、盛り付けを何度も変更したりすると、そのたびに料理を作り直すことになります。営業時と違う盛り付けを撮影すると、実際に提供された料理との印象差にもつながります。
使用する器、料理の向き、トッピングの位置、ソースの量まで、できれば一度試作してスマートフォンで記録しておきます。複数店舗で同じメニューを扱う場合は、この記録が盛り付け基準としても役立ちます。
3.食材と予備を確保する
撮影では、位置を調整したり断面を見せたりするため、通常の提供分より食材を使う場合があります。葉物、薬味、卵、ソース、氷、炭酸飲料など、状態が変わりやすいものは予備を用意しておくと安心です。
揚げ物は衣の色、麺類は伸び、肉料理は表面の照りが重要です。長時間置いた一皿を直し続けるより、必要に応じて作り直せる準備をしておく方が、最終的な写真の質を保てます。
4.テーブルと背景を整える
写真には料理だけでなく、テーブルの傷、調味料の汚れ、壁の掲示物、配線、不要な備品も写ります。撮影場所の周囲を片付け、使用したいテーブル、クロス、カトラリー、グラス、小物をまとめておきます。
ただし、小物を増やしすぎると料理の存在感が弱くなります。店の雰囲気を伝えるために必要なものと、情報を散らすものを分け、主役が料理である状態をつくりましょう。
5.調理担当と確認担当を決める
撮影中は、調理する人、料理を運ぶ人、仕上がりを確認する人が必要です。誰が最終判断をするか決まっていないと、スタッフごとに意見が分かれ、撮影が止まりやすくなります。
オーナーや店長が立ち会えない場合は、写真の用途と優先料理を判断できる担当者を決めておきます。営業と並行する場合は、注文対応と撮影用調理の担当を分けると進行が安定します。
6.料理を出す順番を決める
撮影順はメニュー表の順番ではなく、料理の状態と撮影セットで考えます。冷たい料理から温かい料理へ、単品から集合写真へ、同じ背景で撮る料理をまとめるなど、移動や作り直しが少ない順番にします。
特に、泡が消える飲み物、湯気を見せたい料理、溶けやすいデザートは、撮影者の準備が整ってから仕上げます。「完成したらすぐ運ぶ料理」を事前に共有しておくことが大切です。
7.写真に入れたい情報を整理する
料理全体だけでなく、肉の断面、麺の持ち上げ、ソースの質感、セット内容など、注文前に知ってほしい情報を整理します。辛さ、ボリューム、食材の特徴、手作り感など、文章だけでは伝わりにくい魅力を写真で補います。
購入者が「量はどのくらいか」「何がセットになるか」「どんな食感か」と迷いそうな点から逆算すると、必要な寄り写真や角度違いが見つかります。

集合写真は最後ではなく、単品撮影と一緒に計画する
複数の料理を並べた集合写真は、宴会、コース、ランチセット、家族利用などを伝えるのに役立ちます。しかし、単品撮影が終わった料理を後から集めると、乾燥したり形が崩れたりして、全体の鮮度感が揃いません。
集合写真に使う料理を先に決め、単品撮影から集合写真へ移れる順番を組みます。全品を並べる必要はなく、店の特徴が伝わる主力料理を中心に構成する方が、写真の目的が明確になります。
当日の簡易チェックリスト
- 撮影リストと優先順位を共有した
- 掲載先と必要な縦横比を確認した
- 器・盛り付け・分量を決めた
- 食材、薬味、飲み物、氷の予備がある
- テーブルと撮影場所を片付けた
- 調理担当・運搬担当・確認担当を決めた
- 温度変化の早い料理を共有した
- メニュー名と写真の対応を確認できる
準備が決まっていない段階でも相談できます
撮影を依頼する前に、すべてを店舗側だけで決める必要はありません。Bobee.では、料理の品数、メニュー表、Googleマップ、SNS、店頭ツールなどの使用場所を確認し、必要なカットと当日の進行を整理します。
「何品まで撮影できるか分からない」「メニュー表とSNSの両方で使いたい」「新メニューの見せ方から相談したい」という段階でも大丈夫です。撮影した写真をどこに置けば注文につながるかまで考え、使いやすい素材づくりをお手伝いします。

